【書評掲載】『ジェンダー写真論 1991-2017』共同通信社(竹内万里子さん) / 週間読書人(日高優さん)
共同通信社「見聞録」にて写真評論家の竹内万里子さんによる書評です。高知新聞、徳島新聞、沖縄タイムスその他全国各紙で順次掲載されいてます。
「取り上げられているのは女性だけではない。民族、人種、セクシュアリティ、病、老いなど人間にとって根本的な問題に向き合った、さまざまなバックグラウンドをもつ写真家の作品だ。(中略)著者は各人の『生きること』と『作ること』の切実な関係において具体的に説明しようとする。社会から見過ごされがちな小さな声に耳を傾けようとする真摯な姿勢は、著者自らが経験してきた社会への違和感や個人的な葛藤に裏打ちされている」
「週刊読書人」4月6日発売号で、写真批評家の日高優さんによる書評です。
「社会における自己、〈反映する〉と同時に〈形成する〉写真メディアの機能、アイデンティティと写真、作品の意味など、根底的な問いが引き出され、書かれていく。その底に静かに根底的な問いが流れ続けているから、膨大な作家の多岐に渡る表現の騒然たる紹介に陥ることがない。作家たちの仕事も本書も共に、問うべきを問うた実にシンプルで実直な連なりである。」