【イベント】10/6(土)『ジェンダー写真論 1991-2017』から「愛について アジアン・コンテンポラリー」展へ 笠原美智子(『ジェンダー写真論』著者)×金仁淑(キム・インスク:写真家)@百年
とはいえ、やはりこれまでの美術はあくまで欧米中心であり、日本をはじめとしたアジア人作家、ましてやそのなかでも女性写真家たちの表現はまだこれから世に問われる段階である。
変化の著しいアジアの中で、女性写真家たちはどのような状況下のもと、表現活動をしているのか。笠原が東京都写真美術館で企画した最後の展示である「愛について アジアン・コンテンポラリー」展に出展する、在日コリアン作家である金仁淑(キム・インスク)をゲストに迎え、笠原の歩んだ軌跡と、今回の展示に込めた想い、また在日コリアン3世として生まれ、ソウルで表現活動をスタートさせた金仁淑が、揺れるアイデンティティの中からみずからの表現を掴み取っていった過程と、今後の表現における課題、可能性を語る。
【登壇者プロフィール】
笠原美智子(かさはら・みちこ)
Michiko Kasahara
学芸員。2018年4月より公益財団法人石橋財団ブリヂストン美術館副館長。1957 年長野県生まれ。83 年明治学院大学社会学部社会学科卒業。87年 シカゴ・コロンビア大学大学院修士課程修了(写真専攻)。東京都写真美術館、東京都現代美術館にて学芸員を務め、日本で初めてのフェミニズムの視点からの企画展「私という未知へ向かって 現代女性セルフ・ポートレイト」展(91 年)を皮切りに、ジェンダーの視点からの企画展示を多数企画。著書に『ヌードのポリティクス 女性写真家の仕事』(筑摩書房、98 年)、『写真、時代に抗するもの』(青弓社、02 年)他。10月2日から開催される東京都写真美術館「愛について アジアン・コンテンポラリー」展は、笠原が同美術館で企画し、同館学芸員、山田裕理へとバトンを渡した展示である。
金仁淑(キム・インスク)
KIM Insook
1978年大阪生まれ。在日コリアン3世。大阪樟蔭女子大学学芸学部被服学科およびビジュアルアーツ専門学校写真学科を卒業後、2003年に韓国・ソウルの漢城大学芸術大学院西洋画科写真映像コースに留学し、2005年同大学院修了。現在、ソウルを拠点に制作活動を展開している。大阪の朝鮮学校をテーマにした作品〈sweet hours〉(2001年- )や、在日コリアンの家族の肖像〈サイエソ:はざまから〉(2008年- )など、いくつもの文化の狭間に生きる人々のアイデンティティや、コミュニティ、民族、家族の問題を浮き彫りにしている。国内外の芸術祭やグループ展への招聘も多く、主な展覧会に「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」(森美術館他、2014-15年)、「第16回河正雄ヤングアーティスト招聘展〈光2016〉」展(光州市立美術館、2016-17年)、「Family Report」展(京畿道美術館、2017年)、「#Selfie ̶ The people who take picture by themselves」展(SAVINA美術館他、ソウル、2017-18年)など。
【写真展概要】
「愛について アジアン・コンテンポラリー」
会場:東京都写真美術館
開催期間:2018年10月2日(火)~11月25日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし10月8日(月・祝)は開館、10月9日(火)は休館)
料金:一般 800(640)円/学生 700(560)円/中高生・65歳以上 600(480)円 ※ ( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引、当館年間パスポートご提示者(ご利用案内をご参照ください)/小学生以下および都内在住・在学の中学生、障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料/音声ガイド 540円(税込)