3/20(水)田尻久子著『みぎわに立って』刊行
新刊のご連絡です。
3月20日(水)、熊本、橙書店店主、田尻久子さんのエッセイ集『みぎわに立って』を発売します。
映画の感想を伝えにくる人、泣きにくる人、北海道から葉っぱを送ってくれる人……。作家の渡辺京二、坂口恭平、詩人の伊藤比呂美、時には猫や鳩まで。チェーン店による画一化が進むなか、一人一人にやすらぎを与えてくれる熊本のカフェ兼本屋、橙書店には全国からファンが訪れる。
2016 年4 月の熊本地震で、店は一部損傷。店主は新しい店舗への移転を決める。変わらぬ日常を作り出そうと静かな強い意志をもつ彼女のもとに、いつもの客が集い、新しい店で日々が始まっていく。橙書店の365 日を綴る掌編エッセイ集です。
「田尻さんは私たちの生が、何げない細部によってこそ充溢し輝くこ とを知っている。彼女のカフェ兼書店を訪ねる万象、人々はむろんの こと、風、陽光、鳩や蜂など、ほんの微細なことが書きとめられるとき、 世界は変貌し生きるに値するものとなるのだ」(作家・渡辺京二)
熊本には、心を休ませてくれる橙書店がある。
熊本地震後、新しい橙書店で紡ぐ変わらない日常。
「店を営みはじめて十七年が経ちます。
お茶を淹れ、本を売り、ときに唄会や朗読会を催し日々を過ごしています。
そして、いくつもの出会いがあり、出来事があり。
出会った人、見えたもの、聴こえた声、通り過ぎたもの、
すべて記憶することはもちろん叶いません。
でも、それらは、かけらとなって私の中に堆積していき、
ひかるものとなり、あるいは消えていきます。
それを少しだけでもとりだせたらと思います。」(「まえがき」より)
田尻久子(たじり・ひさこ)1969 年熊本県生まれ、熊本県在住。橙書店・オレンジ店主。『アルテリ』 責任編集者。会社勤めを経て01 年喫茶店orange を、08 年橙書店を開店。16 年熊本発の文芸誌『ア ルテリ』を創刊。17 年第39 回サントリー地域文化賞受賞。著書に『猫はしっぽでしゃべる』(ナナ ロク社)がある。
装丁は、コズフィッシュの祖父江慎さんと根本匠さん。
版画は、橙書店の展示でもおなじみの、豊田直子さん。
とっっっても素敵な本になりました。
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