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お知らせ

2016.8.20(土)佐藤真「阿賀に生きる」「水俣 ビデオQ&A」上映会+池澤夏樹、旗野秀人、永野三智トーク開催 @西南学院大学

書籍『日常と不在を見つめて ードキュメンタリー映画作家・佐藤真の哲学』の刊行を記念して、各地で上映会を開催しています。九州・福岡での上映となる今回は、佐藤を映画の道に引きずり込んだ「水俣病」をテーマに、日常や人物の魅力と地続きのものとして「公害病」をとらえた佐藤の姿勢とその魅力を探ります。

 

【スケジュール】
13:00〜 上映(30分)
『水俣 ビデオQ&A』
監督、構成:佐藤真 1996年/30分/ビデオ作品/青林舎・シグロ
水俣東京展(1996年10月)の展示の一つとして企画・制作された。水俣病の公式発見から40年目を迎える節目に、それまでの水俣病についての映画を編集し、<水俣病の現在>について考える。誰もが疑問に思う「水俣病についての8つの質間」に、Q&A形式で回答。水俣病の悲劇を教訓として活かすには、豊かな生活そのものを問い直す必要がある。人間にとって本当の豊かさとは何なのかという問いを突きつける。

 

13:35〜 トーク①(60分)
「水俣と阿賀、運動と文化」
ゲスト:旗野秀人(『阿賀に生きる』発起人)×永野三智(水俣病センター相思社)
水俣の石牟礼道子や、筑豊の上野英信ら、九州の公害問題と文化活動のうねりに刺激を受け、地元・阿賀の現状を訴えたいと考えた旗野秀人。佐藤真を阿賀に引き入れた張本人である旗野に、当時の水俣への想いと、映画前、映画公開後、そして現在の阿賀の状況を聞く。さらに、水俣病センター相思社の永野三智の目に阿賀の状況はどう見えるのか、また現在の水俣病について語る。

 

15:00〜 上映(115分)
『阿賀に生きる』

監督:佐藤真 撮影:小林茂 1992年/115分/16mm/阿賀に生きる製作委員会
新潟水俣病の舞台ともなった阿賀野川流域に暮らす老人たちを、三年間その地に移り住んで撮影。社会的なテーマを根底に据えながらも、その枠にとどまらず、そこからはみ出す日常と捉えることで、人間の命の賛歌をまるごとフィルムに感光させた傑作。

 

17:00〜 トーク②(60分)
「『阿賀に生きる』をいま、どう見るか」
ゲスト:池澤夏樹

石牟礼道子作品に魅せられ、科学により自然を破壊することの恐ろしさを文学の方面から追求し続けている作家、池澤夏樹。この「病気を告発する」というわけではない『阿賀に生きる』という作品を、池澤はどう見たか。また、現在この映画を観ることの意味について考える。

「水俣病という近代的犯罪がもたらした被害の実相とそれへの闘いの思いを伝えるには、水俣病ゆえに深く刻まざるえなくなった強く限りない怒りと、重く癒しようのない悲しみや嘆きと、それを吹きとばす様にして生き続ける豪気な笑いであろう。人間誰しもが持つ喜怒哀楽ゆえに、誰の魂をも揺さぶられるはずである。要は、怒りだったら怒りを、悲しみだったら悲しみを、笑いだったら笑いを、いかに深く魂を揺さぶるようにしてとらえ伝えることができるの か。記録映画で伝えるメッセージの力の根源はこの一点にあるように思う」
(佐藤真『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』より)

 

会場アクセス
場所;西南学院大学2号館203教室(マルチメディア教室)福岡市早良区西新6−2−92

※会場でも書籍を販売いたします。

定員:200名 入場料:1000円(学生無料)
ご予約・お問合わせ doctheatre2016@gmail.com

主催:「佐藤真の映画を観る会」、「西南学院大ことばの力養成講座」、里山社