小名浜ピープルズ
小松 理虔
ぼくらはみな、だれかの悲しみのよそ者だ。それでもなお、 他者との間の線を手繰り寄せる。
東北にも関東にもなりきれず、東北随一の漁業の町にも観光地にもなりきれない。東日本大震災と原発事故が起き、放射能に恐怖し、風評被害は受けながら、直接的な被害は少なかった福島県いわき市小名浜。この地で生まれ育った著者は、あらゆる〈中途半端さ〉に身悶えながら、さまざまな地域活動を始めた。当事者とは、原発とは、復興とは、ふるさととはーー答えの出ない問いに対し、発災から10 年以上経過した「震災後」を、普段顔を合わす地元の人たちはどう捉えて暮らしてきたのか。魅力的な人々との対話を通し、迷い、考え、綴った著者初のエッセイ人物録。災害が絶えないこの世界で、災間のリレーを繋ぐすべての人に捧ぐバトンとなる一冊。
著者について
小松理虔(こまつ・りけん)1979 年福島県いわき市小名浜まれ。法政大学文学部卒業後、福島テレビ報道部記者、日本語教師、かまぼこメーカー広報などを経て2015年独立。小名浜でオルタナティブスペース「UDOK.」を主宰しつつ地域の食や医療、様々な分野の企画や情報発信に携わる。18年『新復興論』(ゲンロン)で大佛次郎賞受賞。著書に『地方を生きる』(ちくまプリマー新書)、共著に『ただ、そこにいる人たち』(現代書館)、『常磐線中心主義 ジョーバンセントリズム)(河出書房新社)、『ローカルメディアの仕事術』(学芸出版社)など。21年『新復興論 増補版』(ゲンロン)を刊行。
小名浜ピープルズ
小松 理虔
装丁:渋井史生 装画:坂内 拓
2025年5月27日・刊定価:2,300円+税
256ページ
ISBN: 978-4-907407-23-1
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