【書評掲載】『ジェンダー写真論 1991-2017』週刊文春(酒井順子さん) / 毎日新聞(松田青子さん) / 社会新報(西山由美さん)
3/22発売「週刊文春」酒井順子さん「私の読書日記」
「解説と共に見る女性写真家のセルフポートレイトの、何と雄弁なことか。本書を読みつつ、それは書くことにも似ていると、私は思った。自分の姿を写真に撮ることも、自分の内面を文章で書くことも、自分のことを他者に知ってほしいが故の行為というよりは、何かを探す作業のよう。そして自分を撮ることと他者を撮ることは、エッセイと小説の違いにも似ているような気がした。」
3/28日毎日新聞夕刊・松田青子さん「文芸時評」
「家父長制社会の中で周縁化され続けてきたLGBTQの人々が写真に焼き付けた、個々の抵抗の記録としての芸術の歴史だ。著者が表明する、当事者でない人間が他者を表現することへの葛藤と気遣いは、現代の人々が忘れてはいけない真摯な態度である。社会を変えてきた、それぞれの私的で政治的な闘いに胸が熱くなる」
3/28「社会新報」西山由美さん「女の本棚」
「本書は世界の女性写真家らがどのような問題や葛藤を抱え、作品に昇華していったのかを、時に社会状況を踏まえんがら考察した一冊だ。(中略)セクシャリティー、家制度の問題にも切り込んだ刺激的な写真論だ」