『井田真木子 著作撰集』(2014年7月19日刊行)

「リアリティとは生きた証」—―書くことは生きること。夭折の作家が今、蘇る!

44歳の若さでこの世を去ったノンフィクション作家、井田真木子。その主要作品が死後初めて復刊となります。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「プロレス少女伝説」、傑作「同性愛者たち」、遺作「かくしてバンドは鳴りやまず」他単行本初収録となるエッセイや処女詩集など。伝説の作家、井田真木子の真髄に触れる充実の著作集、堂々完成!

【別刷付録】解説:関川夏央/弔辞:柳田邦男/インタビュー:神取 忍

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※表紙の文字は井田真木子の直筆です。
四六版 576頁+別丁付録16頁 定価 本体3000円+税
ビニールカバー
ISBN 978-4-907497-01-9 C0095

装丁:川名 潤(プリグラフィックス)

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井田真木子 1956年7月19日神奈川県生れ。慶應義塾大学文学部哲学科卒。フリーライターを経て2冊目の著書となる『プロレス少女伝説』で91年大宅壮一ノンフィクション賞、92年『小蓮の恋人』で講談社ノンフィクション賞を受賞。その他同性愛者たち』『十四歳』『かくしてバンドは鳴りやまず』など。2001年3月14日肺水腫により死去。享年44歳。
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「〝心が折れる〟って言葉は、井田さんのインタビューが引き出した」神取忍(女子プロレスラー)

「リアリティとは生きた証しであり、今も生きていると私たちに感じさせるなにものかだ。それさえあれば、私たちは孤独も破壊も狂気も恐れなくてすむ。だから、それは切実な『私』と相互寄生する切実な本なのである。そして、私や『私』や、その本の著者や書かれた人が死んだあとも、一瞬にして、それらを蘇生させる力を持つ本。さらには次世紀に持っていく価値のある本だ。」—――『かくしてバンドは鳴りやまず』より

あぶれ者の女子プロレスラー、中国残留孤児2世、同性愛者、援助交際をする少女など、社会の「周縁」に居た人々の人生を圧倒的なリアリティを持って描き出した井田真木子。その筆致は第三者の「取材」の域を越えた切実さを持つ。井田真木子の取材方法は、被取材者の人生に介入し、運命を変えていくという強引かつ大胆なやり方だった。だがおそらく取材される側との間には、「魂の契約」とも言うべき結びつきがあった。なぜなら井田にとって「書くこと」は「生きること」であり、人生に苦闘する被取材者同様、切実な行為だったのだ。

■収録作品■
■『プロレス少女伝説』(90年かのう書房)〝心が折れる〟という言葉を生み出したプロレス・ノンフィクション不朽の名作。クラッシュギャルズ全盛期、女子プロレス界特有の慣習に馴染めず苦闘する、神取忍ほか不器用な3人の異邦人レスラーの成長を追いながら、日本固有の「ウチ」と「ソト」の感覚を浮き彫りにする。
■『同性愛者たち』(94年文藝春秋)同性愛をカミングアウトする人も稀だった90年代初頭。「同性愛」を正面から世の中に問うた7人の男性同性愛者たちの青春群像劇。恋愛とセクシャリティの本質を問い直す傑作。
■『かくしてバンドは鳴りやまず』(02年リトル・モア)トルーマン・カポーティとランディ・シルツ、カール・バーンスタインとボブ・ウッドワード他に迫ったノンフィクション作家論であり、井田の壮絶な人生論。
■『池田大作 欲望と被虐の中で』テリー伊藤・佐高信著『お笑い創価学会』(光文社文庫)収録の創価学会論
■19歳の頃の処女詩集『雙神の日課』、単行本初収録となる、俳優・本木雅弘の真実を探るルポほかエッセイ12篇!