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里山社の本

みぎわに立って

田尻久子

熊本には、心を休ませてくれる橙書店がある。 熊本地震後、新しい橙書店で紡ぐ変わらない日常。

映画の感想を伝えにくる人、泣きにくる人、北海道から葉っぱを送ってくれる人……。作家の渡辺京二、坂口恭平、詩人の伊藤比呂美、時には猫や鳩まで。チェーン店による画一化が進むなか、一人一人にやすらぎを与えてくれる熊本のカフェ兼本屋、橙書店には全国からファンが訪れる。2016 年4 月の熊本地震で、店は一部損傷。店主は新しい店舗への移転を決める。変わらぬ日常を作り出そうと静かな強い意志をもつ彼女のもとに、いつもの客が集い、新しい店で日々が始まっていく。橙書店の365 日を綴る掌編エッセイ集。

「好きか嫌いかどちらか。それは、うちの店の本棚も同じだ。どの本も欲しくなる、と言う人もいれば、居たたまれない感じで眺めまわして、そそくさと帰る人もいる。誰にでもひらけている本屋の存在も大切だが、自分ではできない。扉を開けて入ってくる幾人かの心にはきちんと響いてほしい、ただそう思って本を並べている。」(本書より)

著者について

田尻久子(たじり・ひさこ)1969 年熊本県生まれ、熊本県在住。橙書店・オレンジ店主。『アルテリ』責任編集者。会社勤めを経て01 年喫茶店orange を、08 年橙書店を開店。16 年熊本発の文芸誌『アルテリ』を創刊。17 年第39 回サントリー地域文化賞受賞。著書に『猫はしっぽでしゃべる』(ナナロク社)がある。
みぎわに立って

みぎわに立って

田尻久子

装丁:装丁:祖父江慎+ 根本匠 (cozfish) 版画:豊田直子

2019年3月20日・刊
定価:1,900円+税
176ページ
ISBN: 978-4-907497-08-8 C0095
四六判変形 
上製本

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