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里山社の本

ウジョとソナ 独立運動家夫婦の子育て日記

著:パク・ゴヌン 原案:ヤン・ウジョ、チェ・ソナ
訳:神谷丹路

戦火の日々、記したのは、娘の成長と彷徨える人間の心。

もうひとつ、
同じ世界の別の片隅に窓が開いた。
何が同じで何が違うのか。
同じところはまるでおんなじで愛おしく、
違うところはわれわれが想像していたより
はるか遠くにまで広がっていた。
ー片渕須直(アニメーション映画監督)



日本の支配と戦争の只中も、慈しんだ家族の日常。祖国・韓国は日本の植民地下。独立を夢見て亡命した中国は日中戦争に突入。避難生活を余儀なくされた大韓民国臨時政府夫妻の姿を、我が子に希望を託す「子育て」の視点から綴った日記をグラフィックノベル化。赤ん坊の成長を主眼にしながら、日本軍の泥沼戦、先行きの見えない韓国同胞、泰然自若とした中国人の知られざる姿を繊細に描きだす。


「この地で、父親がこの子にしてあげられることは何か。一寸先は闇でしかな い今のこの家庭で、温かさと慈しみの心でひたすらこの子を守ってやること か? それとも父の選択を受け継がせ、運命だから受け入れろということか。 将来この子から、異国を彷徨い暮らした理由を尋ねられたら、独立を成し遂 げるという私たちの悲願を説明できるのだろうか。」


2018年ソウル図書館「今年の 10冊」/ 2019年韓国文化体育観光部優秀文化商品選出 

著者について

著者:パク・ゴヌン
1972年ソウル生まれ。グラフィックノベル作家。弘益大学で絵画を専攻したのち、1997年からグラフィックノベルを描き始める。韓国現代史を扱う物語を描く作家として知られている。02年、非転向長期囚の屈曲した人生を描いた『花』で大韓民国出版漫画大賞新人賞、2014年、拷問に耐え抜いた80年代の民主化闘争家を描いた『獣の時間』で富川国際漫画大賞を受賞した。近作に、人民革命党事件の死刑囚8人を描いた『その年、春』(2018年)。近年の韓国社会で起きる社会問題を扱った風刺漫画『モンスター』(2020年)などがある。

訳:神谷丹路(かみや・にじ)
東京都生まれ。韓国語翻訳、日韓関係史研究。国際基督教大学在学中の81-82年に、韓国延世大学へ留学。訳書に、尹興吉『鎌』(安宇植との共訳・角川書店)、趙廷来『太白山脈』(安岡明子他との共訳・集英社)、児童書の翻訳も多く、『だまされたトッケビ』『よじはん よじはん』(いずれも福音館書店)など。著書に、『韓国 近い昔の旅 植民地時代をたどる』(凱風社)、『韓国歴史漫歩』(明石書店)、『近代日本漁民の朝鮮出漁』(新幹社)他。現在、早稲田大学、法政大学他で非常勤講師を勤める。

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著:パク・ゴヌン 原案:ヤン・ウジョ、チェ・ソナ
訳:神谷丹路

装丁:渋井史生(PANKEY inc.)

2020年7月15日・刊
定価:2,600円+税
368ページ
ISBN: 978-4-907497-11-8
並製A5判 

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